株式会社ネオハウスは新潟県見附市で新築注文住宅や増改築・リフォームを手掛ける工務店です。
日銀が2年間で資金供給量を2倍に増やす「量的・質的金融緩和」に踏み切ったことを受け、民間銀行は貸出金利を引き下げる検討に入る。長期金利の低下局面が続けば5月に改定する住宅ローン金利も過去最低を更新する可能性がある。企業向けの貸出金利は最低水準にあり、引き下げ余地は限られそうだ。金融緩和が奏功するかどうかは貸し出しの本格回復が条件の一つになる。
大手銀は毎月末に翌月の住宅ローン金利の水準を見直している。このうち長期金利の指標である新発10年物国債利回りとの連動性が高い10年固定型ローン金利(最優遇)は3メガバンクとも4月は年1.35%。過去最低の水準だった昨年12月の1.3%をやや上回る。
10年債利回りは今月5日に一時0.315%と「史上最低金利」を記録するなど大幅に下がった。10年債の利回り水準が現在の0.4%台で続けば、今月末に決める住宅ローンの5月の適用金利は過去最低を更新する可能性がある。
住宅着工件数は昨秋以降、増加が続く。住宅ローンの新規貸出額も、大手銀行が一斉に金利を引き下げた昨年10~12月は前年同期比10%増えた。
日銀の金融緩和で実際に物価が上がれば、長期金利が先行きは上昇に転じる可能性もあり「これまで利用の多かった変動型ではなく、超低金利のうちに固定型ローンで借り入れようとする利用者が増えている」(三井住友信託銀行)という。
一方、景気底上げのカギを握る企業融資は「金利の下げ余地が乏しい」(大手銀幹部)。
大企業向け貸出金利の指標となる長期プライムレート(最優遇貸出金利)は既に年1.15%と過去最低水準。長プラは5年物国債利回りと連動するが、既に0.1%台半ばと今回の緩和以前からゼロに近い水準に張り付いており、金融緩和を強化しても先行きの下げ余地がほとんどないためだ。
今回の金融緩和で日銀から大量の資金供給を受けた銀行が個人や企業への貸し出しを増やさなければ、緩和マネーは銀行にとどまって実体経済には染み渡らない。実際にデフレから脱却できるかどうかは、民間銀行の貸し出しがどこまで増えるかにかかっている。
大手銀行の2月の国内貸出残高は198兆円と3カ月連続で前年水準を上回った。M&A(合併・買収)や事業再編に伴う資金需要が増えているためで、2008年秋のリーマン・ショック以降、減少が続いていた銀行貸し出しは「ようやく底打ちした」(三井住友銀行法人企業統括部)。
ただ日銀が1日発表した企業短期経済観測調査では、大企業の今年度の設備投資計画が前年度比マイナスにとどまるなど、資金需要の本格回復には至っていない。過去に例のない低金利環境を生かすには、企業の投資や個人の消費意欲を刺激する経済成長戦略の早めの実行が欠かせない。
※日本経済新聞 朝刊より
2013-04-08