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太陽光発電、何年目から得? 補助金を活用、初期投資抑える

 住宅に設置した太陽光発電でつくり出した電力のうち、自宅で消費しなかった分を電力会社が買い取る新たな制度が7月から始まった。原子力発電所の稼働停止で電気料金の引き上げが始まっていることもあり、新制度の活用で電気代を節約しようと考える人も多いのではなかろうか。太陽光発電に必要な投資額や回収にかかる期間など、ポイントをまとめた。

 新制度では2012年度に太陽光発電を導入した住宅の場合、余った電力を1キロワット時42円の固定価格で10年間にわたって電力会社が買い取る。買い取り資金は家庭や企業が幅広く負担し、8月から1キロワット時0.22円が電力料金に上乗せされている。1カ月の電気代が約7000円の標準家庭だと月約66円の負担増だ。

 太陽光発電システムを設置するための費用は出力1キロワット当たり平均48万4千円(12年4~9月、太陽光発電普及拡大センター調べ)。一般的な4キロワットのシステムだと200万円程度の初期費用がかかる計算で負担は小さくない。ただ補助金を使い初期投資を抑えることができる。

自治体にも制度
 ひとつが国による補助金だ。1キロワットの単価が55万円以下の太陽光発電システムに対し、1キロワット当たり3万円を助成する。一般的な4キロワットのシステムだと補助金総額は12万円になる。1キロワット単価が47万5千円以下であれば、補助金は1キロワット当たり3万5千円に増える。単価が下がるほど補助金が増えるのは、太陽光発電の普及を後押しする狙いからだ。

 都道府県や市区町村ごとに補助金が出ることもある。東京都の場合、1キロワット当たり10万円だ。4キロワットのシステムだと40万円になる。ただ自治体によってはまったく補助金がない場合もある。価格比較サイト運営のカカクコムは4月に「補助金検索」サイトを開設した。住所と太陽光発電システムのキロワット数から補助金がわかる。

 太陽光発電システムで、どれだけ電気代を減らせるのだろうか。

 大阪府在住の40歳代の男性はオール電化の自宅に7月に出力3.6キロワットの太陽光発電システムを導入した。導入前は1カ月の電気代(4~6月の3カ月平均)は1万3327円だったが、導入後(8~10月の3カ月平均)は9244円に減った。昼間の使用電力は自家発電でまかなえるようになったからだ。加えて、昼間に発電した電力のうち余剰分を売った収入が1カ月平均で1万2530円。合わせると1万6613円の収入増になる。

 この男性の場合、太陽光発電システムの導入にかかった初期費用は補助金を差し引くと140万9千円。この後も同程度の収入が続くと仮定すると、約7年間で初期投資を回収できる計算だ。固定価格での買い取りが続くその後の3年間は収入増分がそのまま稼ぎになる。

 カカクコムでは自宅にシステムを設置した人たちの報告例も掲載している。補助金制度が充実している東京都在住者の平均値でみると、設置費用の自己負担額は134万円、光熱費の節約と売電による収入増は月1万9900円だった。5年8カ月で初期投資額を回収できる計算だ。

地域や季節で差
 もっとも居住地域や季節によって発電量は大きく変動する。カカクコムの担当者は「屋根の面積が小さい場合などは、初期投資額の大きさの割に収入が少ないため、回収に時間がかかる」と指摘する。

 制度自体も変更が予想されることには注意したい。買い取り価格や期間は、年度ごとに見直される決まりだからだ。来年度以降は買い取り価格は徐々に下がるのではないかとみられている。国の補助金制度に関しても13年度途中までは予算が確保されているが、それ以降は決まっておらず終了する可能性もある。

 太陽光発電システムの価格自体は量産効果などでの下落が期待されている。

 一方、工事の不備や発電性能などに関するトラブルも増えている。信頼できる業者を選ぶのも大切だ。

※日経新聞 電子版より

2012-12-04 本年もありがとうございました。 大手行、住宅ローン金利一斉下げ 消費増税控え攻勢
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