地方銀行が住宅ローンの固定金利を引き下げる動きが相次いでいる。企業向け融資が伸び悩むなかで、安定収益を見込める個人向け住宅ローンを強化しているためだ。消費増税前の駆け込み需要を取り込む狙いもある。長期金利の低下を背景に金利引き下げ競争が激しさを増している。
常陽銀行は7月以降の新規融資分について、10年固定の最優遇金利を年1.5%から1.4%に引き下げた。同行は「長期金利の低下などに対応した」と説明する。東京周辺で住宅ローンの攻勢を強める群馬銀行も6〜8月に主力商品の固定金利を段階的に0.1%引き下げた。次回は10月に金利見直しを検討予定だが、金利動向次第では前倒しで引き下げる可能性もあるという。
関西圏でもローン獲得競争が激しさを増しており、京都銀行が8月から最優遇金利を年1.4%に引き下げた。
東日本大震災の被災地では、住宅金融支援機構が5年間無利子の災害復興住宅融資を伸ばし、地銀の金利引き下げ競争に拍車がかかっている。七十七銀行は7月から、10年固定の金利を0.5%引き下げた。被災者には年1.0%の優遇金利で融資する。
※2012/9/2 21:50日本経済新聞 電子版より
2012-09-03